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行政書士櫻井法務事務所
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遺言でできること

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ここでは遺言に記載すると効力を持つものを少しですが見ておきましょう。

遺言に記載して法的効力を持つものは

  • 身分上の事項
  • 相続に関する事項
  • 遺産処分に関する事項
  • 遺言執行に関する事項
  • その他

の5つの事項に分けられます。。

これ以外のことを遺言しても法律上の効力はありません。
この場合、遺言自体が無効になるわけではなく
その部分のみが無効となります。

法定遺言事項

法定遺言事項とは、法律上遺言としての効力が認められている事項のことです。
法定事項以外のことを遺言しても、法律上の効力は発生しません。
但し、遺言自体が無効になるわけではなく、その部分みが無効となります。

遺言者の希望や相続人への訓戒などの法定遺言事項以外の事項も遺言に記載することができます
(これを付言事項といいます)。  付言事項には、原則として法的な効力は認められませんが
記載があれば相続人が遺言者の遺志を尊重し、遺言内容が実現されることは期待できます。

【身分上の事項】
・非嫡出子の認知 (民法781条2項)
認知をすればその子供に自分の財産を相続させることができます。
認知をすると、嫡出子の2分の1の相続権が発生します。
・未成年者の後見人の指定(民法839条1項)
子供が成人する前に何かあったときに備えて、子供の後見人を決めておくことができます。
ただし、指定された人には拒否する権利もありますので、適切な人選が必要です。
・未成年後見監督人の指定 (民法848条)
子供の後見人を監督する人を決めておくこともできます。
もちろん、指定された人には拒否する権利もありますので、未成年後見人の指定同様に
適切な人選が必要です。
【相続に関する事項】
・推定相続人の廃除、排除の取消 (民法893条、 894条2項)
財産をあげたくない人を相続人からはずせます。
ただし、裁判所で廃除の理由が認められない場合が多くあります。
・相続分の指定、及び指定の委託 (民法902条1項)
それぞれの相続人がどれだけの割合で遺産を相続するかを指定できます。
また、特定の人を指名して、その人が決めることにもできます。
・特別受益の持ち戻しの免除(民法903条3項)
特別受益とは、相続人の中で生前に特別に贈与を受けた財産を言います。
その特別受益を受けた人は、その贈与は相続分の前渡しとされ
相続分から差し引くのが通常です。しかし遺言でその贈与については差し引かないように
相続分を決めることが出来ます。
ただし、特別受益の持ち戻しの免除は遺留分に関する規定に違反しない範囲でのみ有効となりますので注意が必要です
・遺産分割の方法の指定、及び指定の委託 (民法908条)
それぞれの相続人に対して、どの遺産をどのように振り分けるかを指定できます。
また、特定の人を指名して、その人が決めることにもできます。
・遺産分割の禁止 (民法908条)
最長5年間は遺産分割を禁止し、相続人全員で共有させる事ができます。
ご自分の死後、遺産分割をめぐってトラブルがおきそうな予感がある時、一定期間をおくという方法です。
・遺産分割された財産について相続人同士で担保責任を負わせること(民法914条)
遺産に欠陥があった場合、例えば自動車が壊れていたとか、建物がシロアリに食われていたなど
そのままでは欠陥がある財産を相続した人に不公平になってしまいます。
このようなときのために、相続人の中から修繕や弁償する責任を負う人を指定することができます。
・遺贈の減殺の順序、及び割合の指定 (民法1034条但書)
遺留分を主張された場合に備えます。
まずどの財産から支払う(減殺する)のかといった手順をあらかじめ定めておきます。
【遺産処分に関する事項】
・遺贈 (民法964条、 986条~1003条)
遺贈とは、遺言によって財産を贈与することです。
相続人でない人に遺産を分けるときは遺贈をすることになります。
・寄附行為(民法41条2項)
財団法人を設立するための手続を寄附行為と言い、遺言でこの手続を指定することができます。
いわゆる「寄付」よりも複雑な意味合いを持つ行為です。(単なる寄付は遺贈になります)
・信託の設定 (信託法3条2項)
信託銀行などの信託業務を行う事業者に財産を管理、運用してもらうよう指定できます。
【遺言執行に関する事項】
・遺言執行者の指定、及び指定の委託(民法1006条)
遺言の内容を実現するための手続をする人を指定することができます。
指定されていない場合は相続人全員で手続することになるため
相続内容で不満が起こっている場合などにトラブルの原因となります。
・遺言執行者の復任権(民法1016条)
遺言執行者を指定しててもその人が実務をとることが出来ない場合
復任権を与えておくことで代理の方が手続きできるようになります。
・遺言執行者の報酬(民法1018条)
遺言執行者の報酬も遺言で規定することが出来ます。
残されたご家族と遺言執行者とでもめることのないように報酬についても
指定しておくほうが安心の遺言となるでしょう。
【その他】
・祭祀承継者の指定(民法897条)
・生命保険金受取人の指定、及び変更(商法675条)
・遺言の取消(民法1022条)

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